ラット大脳皮質細胞膜ソマトスタチン受容体と抑制性GTP結合蛋白との連関および受容体subunit構造の特性に関する研究
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概要
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ラット大脳皮質細胞膜ソマトスタチン受容体の情報伝達機繕とsubunit構造について検討した。細胞膜への[<125>^I-Tyr^1] ソマトスタチン結合は,guanine nucleotideアナログにて濃度依害性に抑制され,その力価は,Gpp(NH)p>GTP>GMPであった。膜へのソマトスタチン結合をScatchard解析すると,結合の減少は,結合親和性の減少によるものであった。細胞膜を百日咳毒素(IAP)とNADで処理すると,Mr=41,000膜蛋白のADPリボシノレ化を認め,IAP処理膜への標識ソマトスタチン結合は. IAP濃度依存性に抑制された。また,ソマトスタチンは,対照膜において,vasoactive ihtestinal peptide (VIP)刺激adenylate cyclase活性を濃度依存性に抑制したが,IAP処理膜では,この抑制効果が認められなかった。光反応性架橋剤N-5-azido-2-nitrobenzoyloxysuccinimideを用いた標識ソマトスタチンと膜受容体のcrosslinkingののち,標識膜蛋白を電気泳動法にて解析すると,Mr≒72,000のS-S 結合を含まない膜蛋白が,特異的に標識され,Gpp(NH)pの添加あるいはIAP前処理によって,この膜蛋自の標識強度は,濃度依存性に減弱した。以上の成績より,ラット大脳皮質細胞膜ソマトスタチン受容体は,Mr≒70,000の単一subunitからなる膜蛋白で,抑制性GTP結合蛋白を介して, adenylate cyclase系と連関していることが示唆された。
- 神戸大学の論文
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