調理後のクロロフィルの変化について 第1報
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概要
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有色そ菜のうち、三度豆を試料として、一般的な調理法を用いてクロロフィルの調理後の時間経過に伴う変化を実験した結果次のようなことをまとめることができた。pHとクロロフィルの損失との関係は調理において最も影響するところがあるが、調理後においてもpHのわずかな相違でもクロロフィルの残存率は大きく左右される。pHが中性に近いほど安定に保たれている。材料をあらかじめ加熱処理した後、pHの低い調味液と撹拌混合した場合、15分程度の時間経過で急速に退色したが調理の際に調味液と材料との混合手順について注意しなければならない。すなわち盛りつけ後出来るだけ短時間のうちに食事することが望ましい。つぎに試料に付着する調味液の多いほどpHのクロロフィルの変化が著るしい。調理後試料を液と分離したものは比較的安定な結果が得られた。酢豚のように粘度の高い調味液の付着量が多いものは,特に嗜好的価値を低下させないよう食事までの時間的な配慮を常に心掛ける必要がある。また、料理の仕上がり後は不要な汁液を除去して盛りつけ調理後の変退色を最少限にすることが望ましい。最後に高温短時間で処理した場合は、調理中のみならず調理後においてもクロロフィルの損失が少なく、特に電子レンジを使用しての緑色野菜の調理は本実験中何れの調理法にも優っていることを知った。油で妙めたあと、ふたゝび加熱処理を行なうことも、調理後の変退色を防止する方法としてきわめて有効な調理法といえる。
- 1974-03-10
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