本州中部霧ヶ峰西斜面頂上部から下部にかけてのニッコウキスゲの条数と結果率の変化
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概要
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本州中部の霧ヶ峰高原において,亜高山帯に分布するニッコウキスゲを対象として,個体群構造の調査から標高の違いと繁殖様式の変化について考察した.1.ニッコウキスゲは標高が高くなるにつれて,一株当たりの平均条数が減少した.条数の多さを無性繁殖の割合と考えれば,標高の低い方が無性繁殖の割合が高い.2.標高が高くなるにつれて結果率が急激に高くなった.結果率の増加を有性繁殖の割合と考えれば,標高の高い方が有性繁殖の割合が高い.3.斜面の上部に分布する個体群は有性繁殖の割合が高く,下部に分布する個体群は無性繁殖の割合が高い.4.標高が中程度の場所では,繁殖様式の変化する移行帯に当たると考えられ,結果率と個体群構造が一致しない.5.霧ヶ峰高原でも繁殖様式を変化させる要因として,光,風,土壌養分量,土壌水分の変動量,気温の日較差などの環境圧が推察される.
- 千葉大学の論文
- 1996-03-29
著者
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