マルサス自然地代論の考察 (小森瞭一教授古稀記念論文集)
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概要
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マルサス地代論の特色は、自然地代論が展開されていることである。彼は1815年に出版された『地代の性質と増大についての研究』、『経済学原理』の第2章第4節と第3章第5節において、「自然地代」や「土地が自然の牧場で生み出す地代」について言及した。この論文では、これらの点を考察することによって、自然状態で生み出される地代という概念が、リカードウ価値論の批判においては、一定の意味があったかもしれないが、マルサスの地代論においては2次的な重要性しか持たなかったことが示される。The notable feature of Malthus's theory of rent is the development of the theory of natural rent. In An Inquiry into the Nature and Progress of Rent published in 1815, and in Section 5 of Chapter 3 and Section 4 of Chapter 2 of his Principles of Political Economy, he made references to 'natural rent' and rent which land 'would yield in natural pasture.' In due consideration of these points, this paper shows that the concept of the rent which would be yielded in natural state had a fixed meaning in the criticism of Ricardo's theory of value, but had only a secondary importance in Malthus's theory of rent.
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著者
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