Priestley-Taylorの蒸発散モデルに関する若干の知見
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概要
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蒸発散位を推定するために提案されたPriestley-Taylorモデル(P-Tモデル)の適応性を十分に湿ったペレニアルライグラス畑で観測したデータを用いて検討し,若干の知見を得た.P-Tモデルに含まれているパラメーターαを,終日と日中の純放射量を用いて算出した結果,両者に明瞭な差異が認められた.終日の純放射量を用いて算出されたαはPriestleyとTaylor(1972)によって報告されている値1.26よりも大きくなり,季節的に変動した.この変動は中山・中村(1982)による純放射量の夜間減少度に依存しており,これによって修正されたαを用いて推定した蒸発散量はライシメーターによって実測した蒸発散量と良く一致した.日中の純放射量を用いて算出されたαの値は1.26よりもわずかに小さかったが,季節変動は認められなかった。α値は風速にも若干影響された.風速で修正したαを用いて推定した蒸発散量は,1.26の値を用いて推定したものよりも実測蒸発散量に近かった。
- 1983-12-25
著者
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中山 敬一
農業気象学研究室
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PRUITT William
Department of Land, Air and Water Resources, University of California
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CHANDIO Bashir
Department of Land, Air and Water Resources, University of California
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Chandio Bashir
Department Of Land Air And Water Resources University Of California
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Pruitt William
Department Of Land Air And Water Resources University Of California
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