空間構成の視覚効果に関する基礎事項の研究(第1報)
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概要
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空間構成における物理的限定要素としての垂直要素が,人間の視覚効果に及ぼす影響を実験法によって求めた.その第1報として,垂直要素が視線を遮る方向に対置した場合に生じる心理的限定効果(遮り効果)をその遮り面積率別,遮り形別に分析を試みた.方法としては実験室内に設けられた装置内の小空間に,遮り率と遮り形の違う56種類のパネルを設置し,それぞれの視覚効果を装置空間の変化量でとらえた.実験結果について要約すると次の通りである.1)一般に遮り面積率が増すにしたがって遮り効果も増すが,遮り面積の増加率と遮り効果の増加率は異なる.遮り面積率の低い場合には遮り効果の増加率はそれを下まわり,高くなるとむしろ遮り効果の増加率の方が大きくなる傾向がある.2)同率の遮り面積においても,遮り形の違いによって遮り効果は異なる.その傾向は遮り面積率が高くなると明瞭になる.3)同率・同形の遮り面においては女子の方が男子よりも遮り効果が大きい傾向を示している.
- 千葉大学の論文
- 1966-12-31