慢性緊張型頭痛の客観的評価
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概要
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慢性緊張型頭痛(CTTH)に関与するとされるパラメータを定量し,頭痛の病態と治療効果を客観的に評価した。CTTHの末梢性因子である筋収縮の定量には筋硬度計を,中枢性因子の定量にはストレスに対する脳幹-大脳辺縁系の反応の異常を反映する筋収縮抑制反応(ES2)を用いた。CTTH患者56例に筋弛緩薬,または抗不安薬を投与し,前後で筋硬度とES2を測定した。CTTH患者では筋硬度増加とES2低下が認められたが,頭痛の重症度とは相関しなかった。治療後に筋硬度は低下,ES2は改善したが,自覚症状の変化と明らかな相関は認めなかった。頭痛やES2改善は治療薬間で差を認めなかった。筋硬度は筋弛緩薬投与群でより低下する傾向にあり,特に治療前の筋硬度が著しく高いもので,治療薬間の差が大きかった。CTTHの病態は一様でなく,筋収縮のみならずストレスに対する脳幹-大脳辺縁系の反応の異常が複雑に関与している可能性が示唆された。
- 北里大学の論文
- 2000-02-29