面接士扱の選択効果に関する考察 : 至適対象の模索
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概要
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【背景】面接士扱の選択力について,年齢・体格・保険年度・転換有無別・死因分析などの因子による当社経験死亡指数分析を行った。【方法】観察期間は1996〜2000事業年度でおのおの第10保険年度まで,観察対象は主契約を標準体承諾としたものとし,同条件(年齢,保険金額帯,保険種類,払込方法)の医師扱契約と経過契約件数補正を行い比較検討を行った。【結果】対象全体の面接士扱の補正死亡指数は88.9%であった。これを新規契約と転換契約に分けた場合,新規契約(補正死亡指数94.8%)における死亡指数が高かった(p<0.01)。特に新規契約の疾病死亡指数は第6保険年度以降100%以上の水準で推移し,医師扱と比較して高水準であり(p<0.01),この傾向は特に男性において顕著であった。一方,転換契約(補正死亡指数82.8%)においては40歳代の男性を除いて医師扱と同等の水準での推移が示され,特に女性に対しては安定した選択効果がみられた。年齢別分析では男性では35歳以上において全死因での有意な死亡指数の上昇(p<0.01)が認められたが,女性では40歳代における新規契約での病死死亡指数の上昇(p<0.05)が観察されたのみであった。体格別分析ではBMI28以上での死亡指数の上昇傾向が認められた。また死因分析では肝疾患,心疾患,脳血管疾患による死亡がいずれも医師扱より有意に高い水準(p<0.01)であった。【結語】30歳代半ば以降の男性新規契約に関しての面接士扱の選択力は医師扱と比べ劣位にあり,死因分析からは心疾患,脳血管疾患,肝疾患などの選択力が劣っていた。今後の申込増加が想定される中高年集団や特定疾病保障保険,介護保険などの生前給付型商品への適応拡大には慎重な対応が必要であろう。一方,転換契約者集団に対する安定した結果は今後の面接士扱の有効活用方法の一端を示唆すると考えられた。
- 2004-03-17