生命保険医学とEvidence Based Medicine (EBM)
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概要
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保険医学の進歩は臨床医学の進歩を抜きにはありえない。新しい治療法により疾患の生命予後が改善し,また新しい検査方法により診断基準が変更されると,保険医学はその疾患の生命予後の改善した結果や診断基準を査定基準に反映させるからである。そのためには適切なフォローアップ研究(Evidence)から目的の欠陥を持つ集団のデータを抽出し,それを基に的確な死亡率を計算することが査定基準を作成する上で必要不可欠である。今回,UK Prospective Diabetes Study (UKPDS 33)をもとにEvidenceに基づいた2型糖尿病の査定基準作成事例を示した。インスリンと尿素製剤の糖尿病関連死亡率における治療効果は統計学的に有意差が認められなかった。本論文では強化療法と食事療法によるコントロール状況と糖尿病関連死亡率の違いから,実死亡率,予定死亡率および超過死亡を計算し,経過年数とコントロール状況による死亡指数を査定基準へ反映する事例を示した。
- 日本保険医学会の論文
- 2002-09-17