頭部MRI画像学的変化(第1報) : 正常加齢に伴う変化

概要

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近年,平均寿命の延長に伴い頭部画像学上の計測で正常域の判断に細やかな検討が必要になってきている。また,「加齢」は変性疾患の発症因子の一つにあげられ,また変性疾患は加齢の加速現象であるとの仮説もあり,加齢と神経変性疾患の関連に注目が集まっている。今回我々は,大脳基底核系の変性疾患における正常対照群と疾患群との画像上の変化を明らかにする基礎研究として,頭部MRI画像での正常加齢変化について検討を行った。対象は臨床上,神経学的異常を認めない33歳から78歳の44症例(平均60.3±9.5歳)である。方法は,各脳室幅比等,中脳,尾状核,基底核幅比の他,PVH (periventricular high intensity), DWMH (deep white matter high intensity)等の白質病変についても評価した。その結果,加齢の影響として認められる画像学的変化は,側脳室前角幅比の増加とPVHのGradeの増加の2つであった。また,60歳以上の高齢群相互には今回検討したいずれのパラメーターにも加齢による変化は認められなかった。
北里大学の論文
1997-02-28