腎不全患者における血清中D-アミノ酸動態に関する研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
今回,新たに高速液体クロマトグラフィー・蛍光分析法のシステムを構築し,腎不全患者8名(慢性糸球体腎炎: 3名,糖尿病性腎症: 4名,急性腎不全: 1名),正常人6名につき,血清D及びL-アミノ酸濃度を経時的に一斉分析した。腎不全患者では,全例にD-アミノ酸が検出され,その濃度はほぼ,D-アラニン,D-セリン,D-グルタミン酸,D-アスパラギン酸の順であった。疾患別に見ると,慢性糸球体腎炎患者ではD-アスパラギン酸が存在するのに対し,糖尿病性腎症患者においては,その存在を認めなかった。また,死亡した2名の患者では,血清D-アミノ酸濃度は547及び611nmol/mlと極めて高値を示し,また急激な経時的変化を認めた。血液透析導入時において,血清D-アミノ酸濃度とβ2MG間に有意な相関を認めた。以上より,血清D-アミノ酸濃度の測定が,腎不全の診断,病型分類,予後判定に有用である可能性が示された。
- 北里大学の論文
- 1993-02-28
著者
関連論文
- 超音波断層法により偶然発見された腎細胞癌23症例の検討
- 前立腺癌におけるAndrogen Receptor遺伝子の異常
- 腎不全患者における血清中D-アミノ酸動態に関する研究
- 尿細胞診により発見し得た尿路上皮内癌の2例
- Anti-fos Ribozymeによる膀胱癌細胞の腫瘍抑制