超音波パルスドプラ法による臍帯動脈波形分析 : 正常妊娠及び異常妊娠に於ける変化と臨床的意義
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
超音波パルスドプラ法を用いた臍帯動脈波形分析による胎児評価について臨床的検討を行った。正常妊娠例117例から得られた計測値をもとに,正常域(Mean±1.5SD)の設定を行った。この所見と,同時に行った超音波断層法及びNST所見をもとに異常妊娠47例のretrospectiveな検討をおこなった。異常例の内訳は妊娠中毒症41例,IUGR6例である。臍帯動脈波形の分析にはRI,S/Dを用いた。正常妊娠例においてRI,S/Dは妊娠週数の進行,および推定体重の増加とともに減少傾向を示した。異常妊娠例ではRIの異常値を示す例が多く認められた。IUGRの出生前の予測については,RIよりもBPDとACから計算した推定体重の方が臨床的に最も有用と考えられた。NSTの異常所見とRI値の関連について検討すると明らかな胎児仮死の所見があるほど,RIが異常値を示す頻度が高かった。臍帯動脈の血流波形分析は異常妊娠例において胎児評価に役立つことが示唆された。
- 北里大学の論文
- 1991-02-28