急性心筋梗塞急性期に於けるacute interventional therapyの効果とその適用について
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概要
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急性心筋梗塞(AMI)急性期に於けるacute interventional therapy (AIT; PTCRないしPTCA)の効果と,心筋viabilityを保つためのAITの適応time limitを明らかにする目的でAMI患者連続67例をretrospectiveに調査検討した。対象は連続的に加療したAMI患者67例(男性43例,女性24例,平均年齢62.9±12.3歳)で,AIT適応をAMI発症後Q波が出現していず,胸痛が持続しているものとし,AITを施行したI群25例(男性17例,女性8例,平均年齢56.6±11.0歳)とAIT未施行のII群42例(男性26例,女性16例,平均年齢66.0±11.5歳)に分けた。さらにI群を発症から3時間以内にAITが成功した例とそれを超えた例に区別し,前者の12例をIa群(男性11例,女性1例,平均年齢53.9±10.1歳),後者の13例をIb群(男性6例,女性7例,平均年齢59.2±11.1歳)とした。I群とII群,Ia群とIb群,IaないしIb群とII群間で短期生存率,合併症発生率,慢性期EFを,Ia群とIb群間で^<201>T1心筋シンチグラム像による心筋viabilityをもつ例の割合を比較検討した。生存率においてはIa群とII群間で差を認め(p<0.05),合併症発生率ではI群とくにIa群とII群間で(p<0.05),慢性期EFでもI群とII群間で有意差をみ(p<0.05),そして心筋viabilityをもつ例の割合ではIa群とIb群間で有意差を認めた(p<0.01)。以上より,AITはAMI急性期の治療として効果を示した。またその適応は,AITの目的が心筋viabilityを保つためであることを念頭にいれた場合,AMI発症より3時間以内にAITが完了するような症例が望ましい結果をえた。
- 北里大学の論文
- 1989-02-28