長管状骨の長軸方向における重心位置について
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概要
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従来,人体の全身や各肢節の重心位置については体育学や人類学の立場から研究がなされているが,骨自体の重心位置に関する研究報告は解剖学の分野でも見当たらない。本研究では,骨格標本(男性20体,女性20体)の上肢および下肢の長管状骨について,その長軸方向の釣り合い位置を求めると同時に,Martinの計測法によって最大長などを計測し,それらの値から相対的な重心位置を決定した。その結果,尺骨,脛骨の重心位置は中央より近位端寄りにあるが,その他の長管状骨に関しては,おおむね遠位端寄りにあることが判明した。また,この事実から長管状骨の重心位置が,それらを含む肢節の重心位置には直接の影響を及ぼさないことも判明した。一方,相対的重心位置の側差,性差および相関関係の分析結果から,利き腕などとの関連を予想させる側差や女性の長管状骨の場合に見受けられる特異な相関など,2,3の興味ある知見を得た。
- 北里大学の論文
- 1982-06-30
著者
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