頸部腫瘤 : その統計的観察と鑑別診断について

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概要

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北里大学病院において,1972年から1979年までに摘出され病理組織診断を受けた881例の頸部腫瘤について検討した。このうち悪性腫瘍は甲状腺疾患317例中77例(24.3%),非甲状腺疾患564例中127例(22.5%)であった。この非甲状腺疾患をSkandalakisの(1)炎症,(2)腫瘍,(3)先天性・その他に分類したところ,炎症性疾患は246例(43.6%)と欧米の報告と比較し,高頻度にみられた。結核性リンパ節炎が多いことも原因のひとつであろう。腫瘍237例(42.0%)中,悪性腫瘍は127例と腫瘍性疾患において悪性腫瘍の占める割合いは高い。臓器別分類で頸部腫瘤の中でリンパ節の疾患について検討したが,癌のリンパ節転移96例中頭頸部領域からの転移が56%を占めており,頸部腫瘤の診断において頭頸部領域の精査が重要と考えられた。
北里大学の論文
1982-06-30

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