ラット顎関節円板のフィブリルコラーゲンの加齢変化と咬合状態の影響
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概要
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顎関節円板はフィブリルコラーゲンとグリコサミノグリカンを主体とする線維性組織で,機能負荷に対応する緩衝装置の役割を果たしている.顎関節円板に加わる負荷は年齢や咬合状態などによって大きなバリエーションを生ずる.本研究では,成長期における関節円板のフィブリルコラーゲンの量的および質的変化を観察するとともに,拳上あるいは抜歯により咬合状態の変化がそれらにおよぼす影響についての基礎的資料を収集した.ラット顎関節円板から不溶性コラーゲンを抽出したヒドロキシプロリン量を指標とした化学分析を行い,さらに,コラーゲン分子間架橋結合を酵素限定消化法で切断しコラーゲンの可溶化をはかった.可溶化コラーゲンは熱変性させたのち,途中還元電気泳動法を応用して分子内架橋結合の切断とα鎖の分離を行い,ウェスタンブロッティング法で解析した.ラット顎関節円板のフィブリルコラーゲン量は4週齢で増加し,その後は一定値を維持した.分子種はI型コラーゲンを主体として,II型,III型コラーゲンが分布し,その構成比率はI型コラーゲンではほぼ一定であるが,加齢と咬合関係の不調和はII型,III型コラーゲンに影響を及ぼすことが示唆された.
- 2003-10-20
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