二年間における同一学級集団の変容に関する一考察
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概要
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本研究は、同一学級集団の中で、担任の変更が学級集団の形態にどのような影響を及ぼすかを検討することである。ソシオメトリックテストを3回と問題行動予測診断検査が2回、2年間の間に実施された。主な結果は、次の通りである。(1) 3回実施されたソシオメトリックの結果から、担任変更後、学級集団内の構造化に変化がみられた。(2) しかし、その構造内容を第1選択時のみで分析すると、2年間を通して共通の傾向が見い出された。(3) 反社会的行動傾向が、担任変更後に多くみられ、学級集団内に動揺が現われている。それに対し、非社会的行動傾向は、減少の傾向がみられた。(4) 子供達の悩みとして、担任変更は陰湿的なものより陽性的な顕在化されたものに変化した。これらの結果から、学級集団構造を明らかにする為の指標として用いたソシオメトリックテストの結果も、分析方法によっては、その学級の問題性を不明瞭にしてしまうことが判った。又、同一学級における担当の変更は、学級集団構造の形成に大きな変化をもたらす。そして、その結果の見方によっては、教師の指導性の問題ととらわれやすいことが考察された。今後の課題としては、同一学級集団で教師が変更する場合、その教師間における性格特性や指導性の違いが学級集団構造に、どのような働きをするかを検討する必要がある。
- 聖泉大学の論文
- 1990-03-20
著者
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