学級集団における友人選択傾向と性格特性に関する一考察
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概要
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本研究は、学級集団における被選択傾向及び社会的地位について、児童の性格特性と関係づけて検討することであった。被験者は、小学校4年生3学級110名である。ソシオメトリックテストとY・G性格検査が実施された。テストの結果に基づいて被選択数をもとに3分法で、上位群、中位群、下位群に分けて分析をおこなった。主な結果は次の通りである。(1) 被選択及び社会的地位と性格特性の非協調性との間に負の相関が見られた。(2) 各学級別にみると、相関のみられる性格特性は、非協調性の他に活動性、支配性、主観性、思考的外向などが挙げられる。しかしそれは、各学級によって異なっており、学級差が認められた。(3) 被選択上位群と下位群との間には、非協調性、一般活動性、思考的外向の各特性間において有意差がみられた。(4)上位群と下位群の違いは、各学級集団によっても明らかな違いか見られ、ソシオメトリック・コンデンスエイションの結果と一致することが示された。これらの結果から、被選択傾向及び社会的地位と性格特性との間には相関関係があり、学級集団での友人選択行動が関係していることが認められた。また学級集団内の選択基準として明確な性格特性が存在するか否かが、学級集団構造に大きな影響を与えることが考察された。今後の課題として、選択基準としての性格特性が本来的に存在するものなのか、学級編成後に形成されるものかどうかについて分析すべきであろう。
- 聖泉大学の論文
- 1988-12-20
著者
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