児童の性格・性差と言語的賞罰が学習に及ぼす効果(第1部)
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概要
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本研究は,小学校4年生の児童を用いて,性格および性差と言語的賞罰が学習におよぼす効果を検討するために計画された。まず,第1日目から第4日目まで練習をおこない,その後第5日日と第6日目の課題を始める前に,直接(E)あるいは間接(I)に言語的賞(P)あるいは罰(N)を与え,内省をとった。被験者は性格(向性)と性差を考慮してわけられた。その結果は次のようである。(1)正答数からみると,第1日から第4日まで,4強化群(EP群,IN群,EN群およびIP群)間にはまったく成績に差がみられないが,第5日,第6日では,負の強化が強いと思われる群ほど成績が悪く,正の強化が強いと思われる群ほど成績が良い傾向がみられた。(2)性差についてみると,第5日,第6日の負の強化群の低下は女子の方が著しかった。(3)正答率から言えることは,外向性のIN群,IP群と内向性EN群で正答率の減少傾向がみられ,内向性のIP群,IN群,EP群および外向性EP群で上昇傾向がみられた。(4)内省報告によると,性格に関係なく,2回ともEP群は賞を求め,EN群は賞を求める者と罰の回避が半々位であった。また,IN群,IP群ともに1回目においては,賞を求める者が多いが,2回目では,IN群は何も感じない者が多く,一方IP群は賞を与えられたと感じた者と何も感じない者が半々位であった。以上のことから,内向性,外向性をとわず,また男女ともに,正答数・正答率からみて,直接的な正の強化がもっとも効果的であるように思われる。附記本研究の実施にあたり,御協力いただいた千葉市立轟町小学校八代進校長,院内小学校鈴木将七校長,および緑町小学校宮内胤治郎校長の諸先生ならびに担任の先生方および児童の皆さんに感謝の意を表します。
- 1972-07-31
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