大腸癌に対する腹腔鏡下手術の手技の確立と短期・長期治療成績の研究.
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概要
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我々が確立した大腸癌に対する治療としての後腹膜アプローチによる腹腔鏡下大腸切除術の手技を示した。1994年6月から2003年3月までの間に,国立佐倉病院において施行した大腸癌に対する腹腔鏡下手術309例の短期・長期成績を検討した。主要な術式別の平均手術時間は,回盲部切除術105.9±29.4min,右半結腸切除術108.0±31.4min,左結腸切除術125.1±38.1min,前方切除術147.6±55.9minであった。開腹術に移行症例は,10例. 3.2%。この内,100例目までは,9例,9.0%であった。術後合併症は,イレウス17例,5.5%,縫合不全,6例,1.9%に経験した。吻合部再発は,3例に見られた。Port site recurrenceは見られなかった。長期予後は,cur Aで5年生存率93.4%であった。侵襲性について開腹術と比較検討した。術後の体温が平熱以下になった日,脈拍数が術前以下になった日,鏡痛剤投与期間,白血球数の術後12時間値,血清IL-6の術後2時間値で優位に腹腔鏡下大腸切除群が低値であった。これより,腹腔鏡下手術の低侵襲性が示された。以上より,我々が開発・確立した血管へのアプローヂ方法としての大腸癌に対する腹腔鏡下大腸切除術・後腹膜アプローチの手技は,患者側の因子(肥満や癒着など)に左右されることなく,小腸による視野の妨げなく,尿管,血管の剥離,露出が素早く安全に行うことが可能である。本術式の低侵襲性と良好な治療成績を示し,大腸癌に対する腹腔鏡下手術の適応について明確にした。
- 2003-10-01
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