分裂酵母モデル系における 5-fluorouracil 耐性遺伝子の単離
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概要
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5-fluorouracil (5-FU) 耐性に関連する遺伝子を分裂酵母モデル系において同定し, その解析を行った。すなわち, 過剰発現により野生株に5-FU耐性を与える遺伝子を2種類単離した。ひとつはdUMPの生成に関与する glutamine amidotransferase (GLMase), carbamoylphosphate synthetase (CPS ase), aspartate transcarbamoylase (ACT ase) をコードする既知の遺伝子ura1^+であった。もうひとつは S. cerevisiae のFUR4遺伝子と相同性の高い新規遺伝子であった。この新規遺伝子をffr2^+と名付けた。ffr2^+過剰発現による5FU耐性は培地中への uracil の添加により増強されたが, adenine の添加では変化がなかった。この結果からffr2^+遺伝子が uracil の輸送に関与することが示唆された。その他, 分裂酵母に薬剤耐性を与えるものとして既に報告されているいくつかの遺伝子について5-FU耐性への影響を検討した。その結果, プロテアソームのコンポーネントのひとつをコードするpad1^+遺伝子の過剰発現が5-FU耐性を与えることが明らかとなった。
- 神戸大学の論文
- 2002-03-29