熱刺激依存性のAktの活性化機構の解析
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Aktは増殖因子刺激やストレス刺激依存性に活性化し多彩な生物学的作用に関わるセリンスレオニンキナーゼである。今回, 熱刺激依存性のAktの活性化機構を検討した。CHO細胞では熱刺激によりAktの活性化と308位のスレオニン残基及び473位のセリン残基のリン酸化が生じた。Aktの308位スレオニン残基もしくは473位のセリン残基をアラニンに置換した変異体における熱刺激依存性のリン酸化を検討したところ, 前者では473位の, 後者では308位のリン酸化が生じ, 各々の部位のリン酸化は野生型の同部位のリン酸化と同程度であった。このことから, これらの部位のリン酸化は独立した機構により生じることが示唆された。熱刺激依存性のAktのリン酸化及び活性化はIA型及びIB型 phosphatidylinositol (PI) 3-キナーゼの薬理学的阻害剤であるワルトマニンにより阻害されたが, IA型PI 3-キナーゼを選択的に抑制する優位抑制型変異体の強制発現では抑制されなかった。このことから, 熱刺激依存性のAktの活性化はIA型PI 3-キナーゼ以外のワルトマニン感受性因子によって制御されることが示唆された。
- 神戸大学の論文
- 2001-12-20
著者
関連論文
- P-192 小児総胆管結石症に対する内視鏡的バルーン拡張術の経験(示説 内視鏡手術予後2)
- P2-45 フェニトイン投与により偽性腸閉塞をきたしたMELASの1例(副作用4,一般演題(ポスター),てんかん制圧:新たなステージに向けて,第41回日本てんかん学会)
- 熱刺激依存性のAktの活性化機構の解析
- 内視鏡的に除去し得た虫垂異物の1例