ラット遊離膵腺房における aclatonium napadisilate の膵外分泌刺激作用 : コリン作動薬carbamylcholineとの比較検討

概要

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副交感神経系が膵外分泌機能調節に重要な役割を演じていることはよく知られている。本研究では副交感神経刺激を介して消化管運動充進作用を示すaclatonium napadisilate (AN)の膵外分泌におよぼす作用を,ラット遊離膵腺房系で検討し,さらにコリン作動薬であるcarbamylcholine(CCh)と比較して検討した。ANとCChは用量依存的にラット遊離膵腺房からのamylase分泌とCa^<2+>effluxを刺激し,[N-methyl-3^H] scopolamine ([3^H] NMS) の膵腺房細胞への結合を阻害した。ANの効力はamylase分泌ならびにCa^<2+>efflux においてはCChの1/30-1/20であった。しかしながら,[3^H]NMS結合阻害においては両者の力価に有意差はなく,ムスカリン受容体への親和性には差異を認めなかった。以上より,ANはCChと同様にムスカリン受容体およびCa^<2+>移動を介して膵外分泌を刺激することが明らかとなったが,ANのラット遊離膵腺房での固有活性(intrinsic activity)はCChと比較し弱いものであった。
神戸大学の論文