添加の接続詞「それに、そのうえ、しかも」の意味分析
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概要
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本稿では類義関係にある添加の接続詞「それに」「そのうえ」「しかも」の意味分析を行い、次のことを明らかにした。「XそれにY」は話し手にとって当然言及すべき情報のうち、重要な情報をまずX (複数であることもある) でのべ、次に従情報をYで表すのに使われるものである。「XそのうえY」は「Xだけでも十分なのに/大変なのに/問題なのに、Yも」ということを表し、前件を踏まえて後件を述べるものであること、前件Xが主情報であっても、後件Yもまた前件に劣らず重要なものであるという話し手の事態のとらえ方を述べるものである。「XしかもY」は添加される後件Yの性質により大きく3つの型 (累加型、逆接型、注釈型) に分類できる。これら「XしかもY」に共通して話し手が強調したいのは後件Yであり、それは後件で事態のとらえ直しが行われていることからくるものである。
- 2004-07-30
著者
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