女性投てき選手の筋厚と筋力

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本研究では, 女性投てき選手を対象に筋厚と等尺性最大随意筋力の測定を行い, 筋厚と筋力の左右差および筋厚と筋力の関係について検討した。筋厚は超音波Bモード法で測定した。測定部位は, 左右側の前腕屈筋群, 上腕の屈筋群と伸筋群, 大胸筋, 腹直筋, 背筋, 大腿の伸筋群と屈筋群, 前脛骨筋および足底筋群 (腓腹筋とヒラメ筋) であった。等尺性最大随意筋力は, 両側の上腕屈曲力と伸展力および大腿の屈曲力と伸展力であった。本研究から次のような結果が得られた。1) 筋厚においては, 上腕屈筋群及び大胸筋において5%水準で有意に右側 (利き側) の値が大きかった。その他の部位においては右側の方が左側に比べて大きな値を示したが, 有意な左右差はみられなかった。2) いずれの筋力についても, 統計的に有意な左右差は認められなかった。3) 筋厚と筋力の相関についてみたところ, 上腕屈筋群と上腕屈曲力の間には両側とも5%水準で有意な相関がみられた。また, 右側の大腿伸筋群と大腿伸展力の間においても1%水準で有意な相関関係が認められた。その他の筋厚と筋力の間には有意な関係はみられなかった。以上の結果より, 本研究の被験者の女性投てき選手の筋厚の傾向は, 右側 (利き側) が左側よりもより大きな値を示した。日常的に実施されているウエイトトレーニングは両側を使っているが, これ以外に日々の練習ではおもに利き手, 利き足側を有意に使用しているために筋厚に左右差が生じたものと考えられる。しかし, 筋力には左右差が認められなかった。この原因として, 利き手利き足側の筋厚は厚いにもかかわらず運動単位の強さや頻度が小さかったことが考えられる。
1997-10-31

女性投てき選手の筋厚と筋力

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