痴呆性高齢者との会話の可能性に関する一試論 : 一事例との会話における発話連鎖の分析から
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概要
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本論は,痴呆性高齢者への心理的援助の前提となる会話の可能性について論じたものである。筆者は痴呆性高齢者一事例との会話を試み,会話における発話連鎖の分析を行った。その結果, (1)事例との会話には1)対話の形式は保たれているが,誰と話しているのか事例にとって不明確な会話,2)会話の相手が明確になった日常会話レベルの会話,3)治療及び援助となる会話という3つのレベルがある,(2)2)及び3)の会話は1)のレベルの会話に基づけられている,(3)1)のレベルの会話は2)及び3)のレベルとなる可能性を孕んでいる,という3点が明らかになった。従来1)のレベルの会話は痴呆性高齢者に特徴的なコミュニケーション障害として捉えられる傾向にあったが,本研究を通じて,この1)のレベルの会話を促進させていくことによって,痴呆性高齢者との会話をより豊かなものにできるのではないかと考えられた。
- 長崎純心大学・長崎純心大学短期大学部の論文
- 2004-03-01
長崎純心大学・長崎純心大学短期大学部 | 論文
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