白内障術前後の高次収差の変化
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概要
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視機能の評価は視力をはじめコントラスト感度などのさまざまな面から評価できる.健常者では光学系は理想的バランスに近い状態であり,屈折的に調整された状態では網膜にきれいな像を作る.白内障発症により光学特性は変化渉ると考え,光学的特性のずれを生じる.そのずれを収差(abrration)という.収差の面から,白内障術前後で比較検討した.白内障患者37眼の術前後収差を波面センサーOPD-Scan^<(R)>(NIDEK社)を用い測定した.瞳孔径を4mmと設定し,検査値としては術前術後3回の平均値にて検討した.収差は低次収差と高次収差に分けられ,低次収差は眼鏡で矯正可能な成分である一方,高次収差は矯正不能である.高次収差の各成分(コマ様収差・球面様収差)においての変化量を算出した.高次収差は術前平均0.390(±1.51)μmが術後0.237(±0.097)μmと改善した.コマ様収差(S3+S5+S7)は術前平均0.373(±0.228)μmが術後0.222(±0.103)μmと改善した.球面様収葦(S4+S6+S8)は0.096(±0.078)μmが術後0.069(±0.030)μmと改善した.白内障症例の水晶体ではコマ様収差・球面様収差成分が増加している可能性が示唆された.
- 2005-03-31
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