植物の花粉形態学(2) : 単子葉植物花粉の走査電子顕微鏡的研究
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概要
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本研究では,単子葉植物9目8科54種の植物の花粉を用い,その外形,発芽装置,大きさ,および表面構造を走査電子顕微鏡によって観察し,比較した。その結果は,表および図で示されているが,大要は次の通りである。1.単子粟粒物の花粉は,乾燥状態で,植物種により,紡錘形,楕円体形,球形,多面体形を示し,これらのうち紡錘形が最も多く見られた。2.発芽装置としては,発芽孔のないもの,発芽孔1〜数個あるものもあり,また発芽溝1条のものと2条のものとがあったが,1条のものが圧倒的に多かった。3.花粉の大きさについては,大粒や小粒よりも,中粒(長径99〜40μ)が最も多かった。4.花粉の表面構造には,網目状,孔状,粒状,刺状,線状が見られ,これらのうち,網目状構造の植物種が最も多かった。5.花粉の表面構造や外形などにもとずいて単子葉植物の花粉系統樹が提起された。これは従来の植物系統樹ともかなりの一致点が得られたが,細部については不明な点が残された。
- 東京家政学院大学の論文
- 1984-12-25
著者
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竹下 紀子
Bioscience Lab. Tokyo Kasei Gakuin College
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相沢 敏章
Bioscience Lab. Tokyo Kasei Gakin College
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植田 利喜造
Bioscience Lab. Tokyo Kasei Gakin College
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