双子を養育する母親の育児困難態とその要因
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概要
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本研究は,双子を養育する母親はどのようなことで育児の難しさを感じているのか。その要因は何かを検討したものである。対象は生後3-12か月の乳児を養育する母親20人で,面接法によるインタビューと質問紙により実施した。その結果を育児困難感タイプと適応タイプに分類して検討した。母親が育児不安を抱いた事柄は,「授乳の難しさ」「児の泣きへの対処の難しさ」「児の健康状態への不安」「沐浴/入浴の大変さ」「自分の健康管理」であったが,タイプによる違いはなかった。しかし,「上の子のしつけ」は育児困難感タイプの母親にみられ,経産婦に育児困難の傾向があることが推測された。また,育児困難感タイプの母親に双子の妊娠/出産に対して否定的な感情を持つ母親が有意に多く,妊娠中からの不安が育児困難感の要因になっていることが推測された。
- 2004-03-15