親族から王へ
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概要
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いずれまとめる予定の国家論の序章である。まず、 kin と king は政治・社会学的に矛盾概念であるのに、なぜ同根なのかの問いを立てた。両語の語源は印欧基語の gen-であり、従ってgenerosity とも同源である。そこから 《相互性》 に基づく「気前のよい贈与交換」こそが人類社会の 《黄金律》 に他ならないことを明らかにした。ついで、この互酬性が狩猟採集と農耕社会の生産構造の差異によってどのように異なって現象するかを、経済人類学的に解明した。相互性は分配経済を再分配経済に変換して階層分化を促進させる起動装置であるが、同時にまた王制という支配/被支配の相剋社会の出現を阻止する制動装置でもあったのである。
- 大手前大学・大手前短期大学の論文