中国四川省青海高原地域のチベット族の畜産業に関する構造分析(中国西部放牧地域における貧困軽減のための参加型地域開発に関する研究,I共同研究)
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概要
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本稿の目的は,中国少数民族地域の畜産業の生産コストおよびその生産構造を分析するために開発されたコンピュータプログラムを改善することにある。開発されたプログラムに,新たにヤクおよびヤクと牛の雑種に関する変数を追加した。このように改定されたプログラムは,中国四川省青海高原のチベット族の畜産業生産構造を考察するに適用され,しかも,実にうまく機能した。このことは,開発されたプログラムが多くの地域の生産構造分析に活用されることが可能であることを証明した。調査地の畜産業生産コストに関する分析では,以下のことが明らかにされた。(1)海抜が3000メートル以上である寒冷な青海高原では,家族労働力としての女性は,家事をこなす以外,その畜産業に従事する労働時間が男性の半分以上に達している。(2)生産コストを直接投入コスト(資本)のみで計算する場合,その労働生産性(家族労働力1人あたり時間あたりの純所得)は8.0元(約110円)であるが,家族労働力の機会費用を含んで生産コストを計算する場合,その労働生産性は7.7元まで下がる。(3)所得には現物所得(牧畜農家が自家消費用に生産された生活必需品の見積価格)を加算すると,その労働生産性は,9.3元(生産コストが直接投入コストのみで計算される場合)と8.9元(生産コストが家族労働力の機会費用を含んで計算される場合)に上昇する。
- 2005-03-25
著者
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ジェームズ Rシンプソン
Faculty of Intercultural Communication, Ryukoku University
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李 鴎
College of Rural Development, China Agriculture University.
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李 〓屏
Faculty of Sociology, Ryukoku University.
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河村 能夫
Faculty of Economics, Ryukoku University.
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河村 能夫
Faculty Of Economics Ryukoku University
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李 鴎
College Of Rural Development China Agriculture University
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李 〓屏
Faculty Of Sociology Ryukoku University
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ジェームズ Rシンプソン
Faculty Of Intercultural Communication Ryukoku University:university Of Florida.
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李 (fu)屏
Faculty Of Sociology Ryukoku University.
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