話し合い活動時における聴解過程 : 中学生を対象とした実相把握と学習支援の方途
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概要
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教室において学習者はどのように話し手の発言を聞き,その内容を理解しているのだろうか。授業場面を対象とした従来の研究では主として,授業の展開過程における授業者や学習者の行動,とくに話し手の言語行為に着目し,これを観察し分析するという方法がとられてきたといえる。話しことば教育研究においても,「話すこと」に関する指導法の検討や理論研究に比べて「聞くこと」の指導を対象としたものは少なく,その指導・支援の在り方を方法論的にどう体系化すればよいか,さらには臨床場面を対象とした研究をどう組織すればよいかが問われていると考える。教室談話において聞き手が話し手の発言内容をどのように聞き取り,理解しているのか,その聴解過程を明らかにすることができれば,これをふまえた学習者ごとの傾向を整理することができ,そうした学習者の傾向に対応した指導法を具体的に考案することも可能になるのではないだろうか。そこで本稿では,聞き手に着目することで,その聴解過程に焦点を当て,学習者(中学生)が話し合い活動時に何を意識して聞いているかについての分析を行った。その上で具体的な指導法を構想し,話し合い活動時における「聞き方」を生かした学習の支援について試案を示した。
- 上越教育大学の論文
- 2005-09-30
著者
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