デンプンとセルロースの比較研究 : 畳子力学に基づいた計算によるアプローチ(自然科学編)
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概要
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デンプンとセルロースの化学的性質の違いが何に起因するのか、量子力学に基づいた計算(アブイニシオ分子軌道計算)を用いて両者を比較する研究を行った。デンプンとセルロースの構成単位は同じD-グルコース(ブドウ糖)であるが、α-D-グルコースがα-1,4結合を繰り返しらせん状に多分子結合したものがデンプンであり、光学異性体のβ-D-グルコースがβ-1,4結合を繰り返し直線状に多分子結合したものがセルロースである。そこで、α-D-グルコースとβ-D-グルコースの安定構造とエネルギーおよび双極子モーメントを量子力学計算によって求め、次に、D-グルコースがα-1,4結合で2分子結合したマルトース(麦芽糖)とβ-1,4結合で2分子結合したセロビオースの計算を行い両者の比較を行った。さらに、水1分子を配位させ安定構造を探す計算を試みた。その結果、α-1,4結合とβ-1,4結合はエネルギー的には同じ安定性であったが、それらの結合によって作られる分子全体の双極子モーメントは異なり、マルトースの方がかなり高い極性を持つことがわかった。また、水分子を配位させた計算では、マルトースは水分子が配位した安定構造を容易に求めることができたが、セロビオースは困難であり安定構造を探すことは容易ではないことがわかった。
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