急性心筋梗塞に対する直達的冠血管インターベンション手技と慢性期再狭窄の関連
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概要
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【目的】急性心筋梗塞(AMI : Acute Myocardial Infarction)に対する直達的冠血管インターベンション後の慢性期再狭窄発生に関与する因子を検討し再狭窄抑制の手技を明らかにすることを目的とした。【対象と方法】対象はAMI患者で急性期直達的冠血管インターベンションを施行した207症例中,慢性期追跡可能であった175症例。急性期再還流療法はPlain Old Balloon Angioplasty (POBA)88例,ステント84例,カッティングバルーン1例,アテレクトミー2例にて施行。冠動脈造影は急性期に加え短期(平均24.2±9.0日),慢性期(平均144.5±53.8日)に行い定量的冠動脈造影法(QCA : Quantitative Coronary Angiography),定量的血管内超音波法(QCU : Quantitative Coronary Ultrasound)により測定した各パラメーターの推移と慢性期再狭窄との関連を検討した。【結果】QCAによる解析では短期における対照血管径(RD: Reference Diameter)が慢性期再狭窄群で3.35±0.48mmと有意に拡張を示し,バルーン径/血管径比(B/A比)が0.91±0.17と低値を示していた。QCUによる解析では慢性期再狭窄群での短期における全血管面積(TVA : Total Vessel Area)は15.47±2.16mm^2と有意に拡張していた。また,今回の検討において冠動脈病変惹起に重要な影響をもたらす糖尿病,高脂血症は成績に影響を及ぼさなかった。【結論】慢性期に再狭窄を来す症例では短期に血管径の拡張が認められ,内腔の狭窄に先行したリモデリングと考えられる。この様な症例に対し追加拡張あるいはintensiveな治療を行うことで慢性期再狭窄を軽減しうる可能性が示唆された。
著者
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