前稿で「三綱領」のうち「明明徳」、「親民」についての考察を試みたが、本稿では残りの「止於至善」について論究し、更に「三綱領」を実現するためのプロセスとしての「八条目」のうち、「格物」、「致知」についての素行の解釈と朱子のそれとを比較検討し前稿同様、素行の現実重視の姿勢を実証したい。