「ところ」の接続助詞的用法の発達過程について : (一)中古〜中世前半
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概要
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名詞「ところ」を接続助詞的に用いる用法の返還を辿るために、中古から中世前半までの25作品を対象に調査し、用例を6種8項目に意味分類して考察した。「ところ」単独での接続助詞的用法はほとんど見られず、助詞が下接した形が一般的であった。「ところに」は中古・中世を通して用例も多く、古くから意味が形式化した接続助詞的な用法が見られる。中世には同じような用法の「ところへ」が見られるが場所を表す意味が残っている。「ところを」は時間の流れの一場面を捕らえる描写に多いが、接続助詞的な用法は極少ない。
- 埼玉短期大学の論文
- 1995-03-20