中国における書の変遷を辿り,書道史上最も重要かつ多彩であると言われる漢代において発生した隷書の興起と,書美の展開について考察した。まず,漢以前(殷・周・秦)の書の変遷と,漢代において隷書を発生させるに至った経緯を辿り,隷書がどのような書美の展開を遂げたのかを考えた。更に,各地で出土された木簡に見る書体(書法)の特徴を分析し,考察した。