金属不連続薄膜におけるトンネル効果
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概要
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最近,メゾスコピック系の物理についての議論が盛んであるが,その中で,SET (Single Electron Tunneling)と呼ばれる単一電子トンネル過程では,クーロン・ブロッケードという現象により,電流-電圧曲線(I-V曲線)が,階段状となる実験報告がなされている。この現象は,1982年に開発された,走査型トンネル顕微鏡(Scanning Tunneling Microscopy ; STM)によって,現在も様々な角度から研究されつつあり,又その応用技術として,電流や電荷を1電子のレベルで人工的に制御してしまう単一電子デバイスの開発が進められている。本論文では,金属の薄膜における電気伝導を調べることにより,メゾスコピック系でのクーロン・ブロッケードの影響を理論的に計算したが,その結果,50K以下の低温で,階段状的なI-V曲線を見い出すことができた。
- 埼玉短期大学の論文
- 1994-03-20