加須市周辺に散見する中島撫山の碑文の解説
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概要
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宇都宮線白岡駅西口の県道を越えたところに「新設白岡車站之碑」なる石碑が建っている。中島撫山(文政十二年一八二九〜明治四十四年一九一一) の最晩年の撰文になるものである。東北線白岡駅新設の経緯が具体的に記されているが、新駅開設に向けての地域住民の熱望が看取されるとともに、駅開業後の風紀の紊乱を予想しての撫山の言辞には、終生警世の木鐸を鳴らしつづけた儒者としての責任感と気概とがうかがわれて面目躍如たるものがある。以来九十余年、東京のベッドタウンと化した現在の白岡町の玄関口としての駅の盛況を見るとき、まことに今昔の感に堪えない。
- 埼玉短期大学の論文
- 2004-03-31