中国における1949年〜1970年代末の地域開発政策に関する考察
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概要
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近年,中国の地域開発政策への関心が高まりつつあるが,関心は圧倒的に1980年代以降の改革開放期に集中している.本稿では,中国における1949年〜1970年代末の地域開発政策の目的を明らかにする上で,その特徴,効果および政策的含意について考察する.1970年代末まで,中国中央政府の開発重点は一貫して立ち遅れていた内陸地域に置かれた.高度中央集権の計画システムの下で,傾斜的に内陸部へ資金を投下し,またそれと同時に先進地域である沿海部から大規模な産業移転を実施した.30年間続いたこの地域均衡政策の結果としては,内陸部における経済基盤がある程度できて,工業生産の地域分散化が進んだが,期待された内陸地域における経済発展が得られず,目標とした沿海地域との格差是正も達成できなかった.国全体の経済発展の効率性を考慮すれば,後進地域の優先開発を実施すべきではないと言えよう.
- 2005-09-30
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