「お〜する」の利益性の有無について
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概要
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「お+動詞連用形+する」について,先行研究では授益,或いは受益があるとされてきた.本稿はその制約条件を再検討した上,「お〜する」という表現形式とその動詞を分けて考察した.その結果,「お〜する」は動作の及ぶ相手に敬意を表する機能のみあり,利益性の有無はその動詞の利益性の有無によることがわかり,謙譲表現「お〜する」表現形式に利益性がないことが明らかになった.また,授受表現には丁寧度の異なる敬語表現も同時に備わっているため,動作の及ぶ相手だけでなく,第三者に利益もマイナス利益も向けていくことができる.授受表現と謙譲表現とのそれぞれの特微から見ても「お〜する」表現形式に利益性がないことが明らかである.
- 鈴鹿国際大学の論文
- 2005-03-20
著者
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