看護技術習得過程における「段取りシート」活用の意味 : 学生の技術演習前・後の段取りシート記入に関する意識調査を通して
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概要
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看護技術教育において,学生が技術を習得する際,手順を中心に技術を習得することを優先してしまえば,技術習得過程において,学生の主体性,問題解決力,想像力を生かす機会を逸する結果となり,患者への個別を考慮した看護技術を習得できないと考える。そこで,基礎看護技術教育において,手順に終始することなく,手順を基本にイメージしながらも,対象の状況をどう判断し,安全で安楽な技術をどのようにしたら提供できるのかが重要といえる。このことから,このような視点を大切に,技術を身につけていくための方法として,全体を通して見る予測力,すなわち「段取り力」が身につく,一つのツールである「段取りシート」の活用を洗髪技術習得過程において試みた。その結果,「段取りシート」の活用から,学生が看護技術習得のプロセスをどう捉えたのか意識調査により分析したことにより,以下のことが明らかになった。1.段取りシート記入により,技術の流れやポイントが整理できたと92.9%の学生が捉えていた。2.段取りシート記入は,技術の練習に活かされたと83.3%の学生が捉えていた。3.洗髪演習前後の段取りシートの違いを感じた学生は92.8%であった。その違いについては,「洗髪技術に関する気づき」と「段取りシートに関する気づき」の2カテゴリに分類できた。さらに,「洗髪技術に関する気づき」(60.7%)の内容をみると,洗髪技術に対する根拠やポイントへの気づき(46%),技術を実施する上で,安全・安楽を考慮し,患者の立場に立って技術を提供することなど(14.7%),看護を科学的に実践するための重要な気づきがみられた。「段取りシート記入に関する意見」(39.3%)では,段取りシートの書き方に関するものがもっとも多く(28.1%),つぎに,段取りシートは看護技術の練習に役に立った(5.6%),段取りシートの記入の大変さ(5.6%)などであった。4.段取りシートの違いをあまり感じないと回答した学生も少数であるがみられた。
- 2005-05-31
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