社会的影響力の形成・計測と最適化のモデル-シュミレーションとWebコミュニティでの実験-
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概要
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社会的影響力とは、ある主体が社会/集団全般から一般的な注目をどの程度得ているかを表わす特性であり、社会的評価やその結果としての社会的資源が配分される程度の尺度と考えることもできる。理想環境のように人間が他の全てのメンバに注意を払い判断を下すことは、現実環境では組み合わせ爆発により不可能である。そのため、現実環境では、複雑系における初期値敏感性により、本来的価値(能力)と影響力が対応しない局所均衡に陥る。すると、本来的価値に見合う影響力がないメンバが存在する(「埋もれた才能」)、本来的価値があまり高くないのに影響力を独占するメンバが存在する(「僭越」)、などの現象が生じ、社会的不公正やコミュニケーションの非効率が生じ、社会/集団全体で見ても非常に大きな損失となる。本研究では、そのような影響力などの特性の相互依存関係のモデルを構築し、理想環境においてはメンバの本来的価値(能力)の高低が影響力の高低を一意に決定すること、一方の現実環境(に近似した環境)においては「埋もれた才能」「僭越」という現象が生じることをそれぞれ確認した。その上で、そのような現実環境における問題点を解決すべく、新たなコミュニケーションの制御プロトコルのモデルを開発しその挙動を調べた。さらに、当該モデルが効率的で公正な影響力の実現に資することをシミュレーションで確認し、併せて電子掲示板によるユーザ参加の社会実験を行った。
- 2006-04-30
著者
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- 稲葉圭信著, 『利他主義と宗教』, 弘文堂, 2011年12月刊, B6判, 224頁, 1,785円(書評とリプライ)