23aB01P JT-60U加熱放電時のトリチウム排出特性についての考察(真空・第一壁・材料, (社) プラズマ・核融合学会第21回年会)
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概要
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現存する核融合実験装置のグラファイト材第一壁のトリチウム蓄積量が大きいことより、ITER等のDT炉におけるトリチウム除去が重要な課題となっている。(1) JT-60Uの最近のプラズマ実験において、NBI加熱のビームパルス長が最大10秒から30秒に伸びたことから、NBのパルス長とともにトリチウム排出量が上昇するデータが得られた。また、壁調整実験では、重水素または軽水素放電が水素の同位体交換効果により、他のガス種による壁調整放電よりもトリチウム除去が効果的であることを示している。これらのことは、軽水素の加熱プラズマにおいて、加熱ビームを長くするほどトリチウム除去 (ガス出し) が効率的であることを示している。ここでは特に加熱ビーム長さと壁温に関連する詳細データの分析結果を報告する。さらに、放電モード毎のトリチウ排出量に関する詳細データの分析結果を報告する (2) 実験運転中の排出トリチウムの化学形態はHTO型が数%であり、90%以上がHT型である。これにより、主として環境中の細菌により、環境中のHTがHTOに変化し、更にはHTがHTOに比較し4桁も線量効果が小さいことから、排出トリチウムの環境負荷は、HTOを100%とみなす現行一般評価よりかなり軽いことを示している。
- 2004-11-20
著者
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中村 博文
日本原子力研究開発機構
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中村 博文
日本原子力研究所那珂研究所
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中村 博文
原研那珂
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及川 晃
日本原子力研究所那珂研究所
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中村 博文
日本原子力研究開発機構核融合研究開発部門トリチウム工学研究グループ
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