各国における「障害概念」「障害定義」の動向(<特集>障害者権利条約制定に向けての基本課題)
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概要
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欧米5ヵ国の権利擁護(差別禁止)、福祉サービス、所得保障、雇用の4分野の法制度における障害(者)の定義の状況を整理した。権利擁護・差別禁止の分野では、アメリカADAやカナダの雇用均等法などに見られるように、機能障害が現在なくても過去にあった場合や、実際にはなくてもあると見なされた場合なども障害に含め、排除される障害者が生まれないよう工夫されている。福祉分野では、スウェーデンLSSでは市町村ソーシャルワーカーが公式の詳しい基準を使わずにニーズ評価を行い、フランスの介護手当は必要不可欠な生活動作に介護が必要な者を対象とするが、厳密な生活動作の項目は示されていないなど、個別事情を柔軟に評価している。所得保障分野では、(絶対額で、あるいはその人の従来給料と比べて)いくら稼げるか、という稼得能力で障害を判定している。雇用分野では、(機能障害により)雇用の確保や継続の可能性が相当程度減少している、という定義が一般的で、実際にも労働能力で定義している。障害を機能障害で定義せず、それにともなう介護ニーズ、就職支援ニーズ、稼得能力低下などを中心に定義している点は日本でもおおいに参考になる。
- 全国障害者問題研究会の論文
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