管内に於ける柱状氣泡の運動及表面張力測定への應用に就て
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概要
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垂直に立てたガラス管内に種々の液体及び溶液を充して,中に柱状の氣泡を作り,その運動を調べた.柱状氣泡は限りなく擴つて居る液体内や管内に充された液体内に於ける通常の球状氣泡に比して,遙に小さい一定の速度で上昇し,且つその上昇速度は氣泡の長さには無關係であり,管の直徑及び液体の種類によつて異なる.柱状氣泡の上昇速度は液体に特有な一定の,有限な直徑に於て零になる.この直徑をば液体の限界直徑と名づけることにする.限界直徑は柱状氣泡の上部,灣曲せる部分に作用する浮力と液体の表面張力との間の平衝と考へて,表面張力の一般式より次の樣に導かれる.d_0=1.295a, a=√<(2α)/(ρg)>,こゝに於てd_0は限界直徑,αは液体の表面張力,ρは液体の比重, gは重力の加速度である.この關係は實驗とよく一致する.頂角の小さい圓錐形のガラス管を使用して,限界直徑を求め,上の關係式より數種の液体の表面張力を測定し,表面張力を測る一つの方法となることを知つた.
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