振動周期が變化する場合の強制振動の實驗
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概要
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強制振動周期が時間的に見て直線的に増加又は減少する場合に於ける棒の振動を實驗的に研究した.棒の振動は電磁的に強制され,且つその力は常に一定に保つ事にした.尚,電磁制振器を附加して粘性的減幅性と周期が變化する爲の減幅性とを比較研究した.dN/dtを強制力振動數の絶對的變化速度とし,kをdN/dtが零の場合の減衰係數とする.kがあまり大きくないときには,dN/dtの増加によつて共振振幅が著しく減衰する.之に反してkが相當に大きいときにはdN/dtの變化によつて共振振幅に大した變化が起らない,即ちkが重要な位置を占める.本來の性質上から粘性的減衰力は強制振動でも自由振動でも作用する譯であるが,dN/dtの作用は強制振動のときのみに現れる.尚,dN/dtを上げる場合でも之を下げる場合でもdN/dtの絶對値が等しければ,共振の振幅は略一定であるが,その極大振幅に達するのに時間的遲れがあるから,極大振幅に當る振動數はdN/dtを上げる場合と下げる場合とで違ふ.之はkが大きな場合には特によく現れるのである.又,dN/dtが零でないときの共振振幅を示す實驗式を作る事ができた,しかしkとdN/dtとは大體同格になつてをるとはいへ,kに附隨する係數が略一定であるのに反し,dN/dtに附くべき係數は場合場合によつて少しづつ變化するやうである.尚,この實驗結果の數理的解釋については,遠からず發表できる積りである.
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