主翼及び胴體の聯成振動
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概要
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胴體の構造が主翼のそれに比して大して剛くない場合には,それ等の間の聯成振動を考へて置く事が必要になる.我々はその目的に向つて種々簡單な場合を研究して來たが,この論文では翼と胴體とがともに斷面も質量分布も均一でないとし,且つ機關部に於ける集中質量をも考慮に入れてその聯成振動を論じたのである.勿論,強制振動を取り自由振動は強制振動の共振の場合から推定した.始めに數理的理論を作り,實際の状態に相當するやうな場合について數値計算を試みた.次に全然同じ状態を表す模型を作り,數値計算の結果と比較し,理論と實驗との一致性を確めたのである.研究の結果によると,聯成振動の場合といへども實際には問題を比較的に簡單に取扱ひ得ることがわかる.主翼が對稱的振動をなす場合には主翼の中央を固定端とし翼端を自由端とする屈曲振動と,胴體の前部を〓端とし尾部を自由端とする(機關部の集中質量は考に入れ)屈曲振動とになるし,主翼が斜對稱の振動をなすときには,主翼の中央を〓端とし翼端を自由端とする屈曲振動と,胴體の前部を固定端とし尾部を自由端とする捩り振動とになることがわかつた.しかし之等は近似的性質として取る場合に過ぎない.更に面白い事には聯成振動の自由振動數よりも稍々低い振動數で主翼のみが振れて胴體の靜止することがわかつた.この振動數は主翼のみを單獨の振動體と考へる場合の振動數に當るけれども,之が共振状態でないのは大いに注意すべき事柄である.
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