圓形斷面風洞の境界の影響に關する二つの報告
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概要
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第一の報告は普通の測定斷面-噴流又は固定壁-を有する風洞の境界の影響を取扱つたもので,§1序論,§§2-4噴流風洞に於ける計算,§5固定壁風洞に於ける計算,§6噴流風洞に於ける實驗である.計算はブルヘルスの方法に倣ひ,翼の自由渦のみならず,その束縛渦の影響をも考慮に入れてある.束縛渦の影響を考へることは,翼の位置に生ずる誘導速度の計算には必要でないが,流の曲率を知るためには必要である.計算の結果によれば,普通の場合に於ける曲率の影響は誘導速度のものに比べて可也に小さい.噴流と固定壁とを比較すれば,誘導速度は反符號で等大,曲率は反符號で略等大である.又三通りの大きさの相似模型を噴流風洞で實驗した結果に,上記の計算による補正を加へる時は,略一本の曲線が引かれる.兎も角境界の影響が噴流と固定壁とで反符號で略等大である事と,境界の影響を除いた翼の性質が十分正確に想像できる事とが第一の報告の主なる結論である.第二の報告に於ては之を利用し,自ら境界の影響が消去される樣な斷面を作ることを考へた.粗い初等的な計算によれば,誘導速度の消失するのは圓周の下部を中心角で約140°だけ固定壁とした場合であるが,この角度が大体正しいことは,特別に實驗を行つて確めることが出來た(§§1-3).§4は更にこの結果を境界影響の補正が困難な場合に利用したもので,その一例として半翼幅模型の壓力分布測定に就いて實行した結果は,豫期通りの好い成績を收めてゐる.
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