心身能率に及ぼす低壓の影響
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概要
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この報告はイギリスのオックスフード大學病理學教室備付の低壓室に於て行った實驗の結果である。實驗は五種類で、被驗者は六人である。結果の中で重要な點を列擧すれば次の通である。(1)低壓實驗と酸素供給不足の實驗の結果によれば、低壓による心身能率の減退は主として低壓に伴ふ酸素供給不足の結果である。從つて一定の方法で酸素を供給すれば割合に低壓の處まで上昇しても心身能率の上に大なる影響はないであらう。(2)酸素供給不足が心身能率に及ぼす影響は作業の種類により、個人により、又同一個人に於ても身體的状態によつて異る。最後のことは同一個人が同一低壓に於て失神することゝ然らざることのあるによつて認められる。(3)作業の種類について云へば知的作業は身體的作業よりも低壓の影響を受け易く、又等しく知的作業に於ても一層複雜な作業は影響を受け易い。又熟練的作業に於ては影響が少い。(4)如何なる作業でも能率が急に減退する低壓度がある。即ち能率減退の轉廻點がある。而して失神の起發が瞬間的に到來することは此の事實の一つの場合と見ることが出來る。(5)能率減退の轉廻點は氣壓が428mm以下即ち海拔15,000呎以上の高度以上の處で酸素分壓は海上に於けるものの大凡50%に相當する處である。(6)能率の減退は作業量に於けるよりも作業の動搖性及び錯誤の二つの方面から見た作業の性質に現はれることが著しい。(7)内省に現はれた主な現象は種々の末梢器官に於ける變化、不安定の感を與へる船暈の感である。(8)外部からの觀象に現れる特徴は皮膚の變色と興奮的態度とである。
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